過去の失敗経験に対するスタンスとして、大半の方は「反省」がベースになっているか、「後悔」がベースになっているか、のどちらかではないでしょうか。「忘却」や「失敗したことはない」というのもあるかとは思いますが、今回は「反省と後悔」について思うことを書きます。
ところで、「忘却」は自分自身が潰れないようにするためなどに活用すべき場面はあろうかと思いますが、「失敗したことはない」というのは完全なる勘違いか、何にも挑戦してこなかったかのいずれかにすぎないのではないでしょうか。同様に失敗を想定していない人というのは、自分の能力を過信している傲慢な人であると感じます。
話を戻すと、私は自分自身を、「反省して成長するタイプ」であると考えており、自身の強みを「同じ失敗を繰り返しにくいこと」と言ったりしています(以前は「同じ失敗を二度としない」と言っていたのですが、言い過ぎでしたので改めました)。ですので、過去の失敗を思い出すのは、目の前の新しい取り組みに活かせる教訓はないか、を思い出すことが目的です。もちろん私も人間ですので、後悔の念に囚われることも少なくありませんが、意識して考えないようにします。
一方で、「後悔」がベースになっている方にお会いすることも少なくありません。何かにつけて「あのとき、ああするんじゃなかった。」とか「こうすれば良かった。」とかおっしゃっています。そこから少し考えを深めれば教訓を得て反省とすることもできそうなものですが、なかなかそこに至りません。
そういう方との仕事の中で、そういう場面に出くわすと「反省は大切ですが、単なる後悔はやめましょう。」と声掛けするようにしていますが、習慣づいた思考を改めるのは、誰にとってもなかなか難しいことですね。
様々な場面で新しいことへの取り組みが求められる現代、「仮説検証」や、「試行錯誤」ができるかできないかは大きな差につながってきます。第一歩として「後悔ではなく反省」というスタンスで物事に取り組みたいものです。
石井優 / NGCパートナーズ|note