今回は「事業計画の作り方」とは少しズレるのですが、起業前の準備として重要且つ少し悩むテーマとして「屋号と独自ドメインはどうすべきか」について解説します。本記事自体は個人事業主として起業する予定の方向けの書き方にしています。なお、屋号とは「ビジネス上の名称」くらいの意味でお考えください。
さて、Web上で検索すると屋号や独自ドメインの問題について解説している記事が多く見つかります。屋号をどうするかという点については、ご自身が屋号にどういう意味を見出すか次第ですのでそれについて解説してくれている記事を見つけ参考にするのが一番です。ここでは「起業後のビジネスのやりやすさ」に絞って解説します。
個人事業主として開業する際に税務署に届け出る開業届に屋号を記入する欄があるのですが、屋号を設けることは必須事項ではありません。ですので必要に応じて屋号を決めるということで問題ない、というのが結論ですが、それだと何の参考にもなりませんので、屋号を設けるか否か、は以下の基準で決めるかたちをおすすめしています。あくまでも屋号に特に思い入れがない場合の話です。私の場合は、屋号に自分なりの想いを込めましたので、最初から屋号を設けていました。
- 当面の間、業務を受注する先がすでに既知の事業者のみの場合、屋号は必ずしも必要はない。
- 新規開拓営業を行う、新規先からの受注を目指すなどする場合は屋号がある方が良い。
分かりやすい基準かと思いますが、特に「2」について日々の業務に地味に響いてきます。日本の場合は組織に属して働いている方の割合のが多いため、ビジネス上では「〇〇社の〇〇です。」というかたちで、所属組織名→氏名、という順番で名乗ることが一般的です。屋号があると「〇〇(屋号)の〇〇です。」と名乗ることができ、たとえば営業先に電話するときの名乗りとして活用できます。屋号がないとただ自分の氏名を名乗るだけとなってしまい、必要な方に取り次いでもらえなかったり、「どちらの〇〇様ですか?」などと聞き返されてしまい、説明の手間を要することになったりします。同様の理由で、屋号は名乗りやすく聞き取り安いものがbetterかと思います。
独自ドメインや事業用のWebサイトを設けるか、についても同様です。
知り合いのみから仕事を受けるのであればいずれも必要はないと思います。ビジネス上はGmailなどは好ましくない、といった解説記事をよく見かけますが、情報の取り扱いに慎重さを要する場合を除き、知り合いとのやりとりであれば大きな支障はそれほどないでしょう。
しかし、新規開拓を考えている場合はいずれもあった方が良いです。独自ドメインのメールアドレスがないと、ビジネスを行う事業体としての体制などを疑われてしまいますし、Webサイトがない場合でも同様です。ですので、新規開拓を考えている場合は、コストも安いですので独自ドメインとWebサイトは用意した方が良いです。
なお、それらはWeb上での受注を目指す、という位置づけより、「自分が営業した先の事業者がWeb上で自分のことを調べた際に、必要な情報を参照できる。」くらいの位置づけで十分です。Web上で新規受注をしたいのであればプラットフォームなどを利用しましょう。独自ドメインやWebサイトを設けるか否かについて悩む方の場合は、そもそも事業上の必要性が高くない方と考えられますので、自分のWebサイトのコンテンツを必要以上に充実させたり、SEO対策に労力や資金を投入するよりも、プラットフォームを活用する方が効果的です。ただし、事業の拡大などを目指し始める場合は別です。
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