最初に、事業計画の全体像と今回の内容の位置付けを確認しましょう。
起業時事業計画の項目(下線部分が今回の記事で説明する箇所です)では早速内容に入りましょう。
1.ビジネスプラン
(1)エグゼクティブ・サマリー
(2)起業のきっかけや想い
(3)営業循環図
(4)顧客
(5)営業
(6)競合・代替品
(7)組織・チーム、社外パートナー
(8)事業の重要指数
2.数値計画
(1)売上高・原価
(2)経費
(3)運転資金
(4)設備資金
(5)資金調達
(3)営業循環図
営業循環図とは、事業に登場するプレイヤー、モノ(製品・商品など)やサービスの流れ、お金の流れを分かりやすく図で整理したものです。これらの説明は文字にすると長く複雑になってしまいますが、図にすることでとても分かりやすくなります。貴方の事業計画書を見る方は、エグゼクティブ・サマリーに加えて営業循環図を見たら、貴方の事業の概要をほとんど理解することができるでしょう。先に例をお見せします。以下の営業循環図は、ECモールを活用して消費者向けに物販を行う事業の場合のものです。図をクリックすると拡大できます。
図:営業循環図の例 |
図中央上の「自社」が貴方の経営する会社や個人事業を指します。
右下の「お客様」は貴方の事業の最終顧客である個人消費者を指します。
この営業循環図の場合は、お客様は右上にある「ECモール運営会社」に対して支払いを行っていますが、事業によっては貴方の会社に対して支払うこともあるでしょう。
左下には「製造元」があるということは、貴方の事業はいわゆる仕入れ販売であり、製造元から運送業者を介してお客様に矢印が伸びていることから、製造元から製品が直送されるモデルである場合の図であると言えます。貴方の事業が自社内で製造を行うモデルであったり、自社配送を行うモデルであったりすると、当然登場するプレイヤーも矢印も変わってきます。
プレイヤーですが、主だったものは以下のとおりです。「自社」と「お客様」以外は事業内容によって登場したりしなかったりすることもあります。
- お客様 最終顧客を意味します。
- 製造元 モノの場合は製造業者を意味します。あなたの事業が他社サービスの販売代理店である場合は、そのサービス提供元事業者を意味します。
- 仕入元 モノの場合、製造元と自社との間にいる事業者である卸売の会社などを意味します。
- 中間業者 お客様と自社との間にいる事業者のこと、運送会社、倉庫会社、小売店、仕入型代理店などがあります。
- 提携先 広告会社、手数料型代理店などを意味します。
図で物事を説明することに興味を持った方は「ピクト図解」の書籍を読んでみることをおすすめします。
次の「顧客」の説明は少し長くなりますので、今回はここまでとします。