NGCパートナーズ 代表 石井優のブログ
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2019年10月2日水曜日

社外取締役の役割(日経新聞)

社外取締役、初の3割超 上場企業:日本経済新聞
上場企業の役員の顔ぶれが多彩になってきた。取締役に占める社外取締役の......
日経新聞その他の経済紙・経済誌には定期的に「日本の上場企業における社外取締役の割合」の記事がでます。内容は毎回お決まりで、社外取締役を設置している上場企業の割合は増えている、社外取締役が期待されている役割を果たせているかではまだまだ改善の余地がある、といったものです。

私は未上場企業の社外取締役を務めさせていただく機会もあり、監査役会が設置されている会社の場合は、監査役会にも一部の時間出席させていただき、監査役の方々と情報交換を行うこともあります。

上場or未上場、会社の機関設計の違いなどがあり、一概には言えないのですが、私の経験上、上場企業の社外取締役に関する論評や記事などを読んでいて感じるのが「社外取締役に多くを期待しすぎ」ということです。

今回の日経新聞の記事も、社外取締役に期待される役割について「異なった経験や知見を経営に生かす」と書いたかと思うと、不祥事を防ぐことがその役割と読めるような記載もあります。

実際の上場企業の取締役会の場でも、監査役との違いが全く分からない発言に終始するような社外取締役も見てきました。

只でも社外取締役に相応しい層が薄いことが指摘される日本なのですから、社外取締役に多くを求めるのではなく、ある程度期待する役割を限定すべきではないでしょうか。

実際には明確な線引ができるわけではないかとは思いますが
  1. 取締役(会)の判断がいわゆる経営判断の原則を逸脱していないかの監督は監査役の役割
  2. 取締役(会)が経営判断の原則の範疇で意思決定している前提で、より適正適切な意思決定ができるよう促していくのが社外取締役の役割
といったことが私の案です。