制度の詳細についてはすでに特設サイトも開設されており、丁寧に説明してありますので、そちらをご覧いただくのが良いかと思います。当ブログでは重要ポイントのみ箇条書きでご紹介します。端的にご紹介するために端折ったり簡略化したりしていますので、詳細は必ず特設サイトやそこにアップされている公募要領をご覧いただくか、補助金事務局や専門家にご相談ください。
さて前提として、本補助金は以前の2種類の補助金が一体となったものであり、特設サイトには以下のような内容の記載があります。
- 本補助金は、従来の事業承継補助金及び経営資源引継ぎ補助金が一体となった補助金であり、従来の事業承継補助金が本補助金の事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)に該当します。従来の事業承継補助金は、経営者交代型とM&A型の2類型でしたが、本補助金より、創業支援型が追加され、3類型となっています。
- 本補助金は、従来の事業承継補助金及び経営資源引継ぎ補助金が一体となった補助金であり、従来の経営資源引継ぎ補助金が本補助金の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)に該当します。従来の経営資源引継ぎ補助金では、買い手支援型、売り手支援型ともに、経営資源の引継ぎを促すための支援と経営資源の引継ぎを実現させるための支援の2種類があり、該当する種類に応じて申請類型が異なっていました。本補助金の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)では、経営資源の引継ぎを促すための支援と実現させるための支援の区分が廃止され、申請類型が統一されました。
(引用元:事業承継・引継ぎ補助金特設サイト)
当ブログは「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)」についてのみご紹介しますのでご留意ください。
また、本補助金はjGrants(補助金の電子申請システム)を利用しての電子申請が必要となり、「gBizIDプライム」アカウントが必要となりますが、アカウント発行には2~3週間かかることがあるそうです。アカウントをお持ちでない場合、二次公募の締切日である2021年8月13日に間に合わない可能性がありますので、その点もご留意ください。
以下、本補助金(事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用))の主なポイントです。
- 本補助金は、中小企業等がM&Aを契機として新規事業等を行うことについて、その経費の一部を補助することでM&A等を促進し、日本の経済活性化を図ることを目的としている。
- 本補助金には、買い手支援型と売り手支援型とが用意されている。
- 買い手支援型は、M&Aの後にシナジーを活かした経営革新等を行うこと、地域経済全体を牽引する事業を行うことが要件とされている。
- 売り手支援型は、地域経済全体を牽引する事業が第三者(つまりは買い手)により継続されることが見込まれることを要件としている。
- 単なる不動産売買を目的とするM&A等は補助金の対象とならない。
- 補助対象者は中小企業と個人事業主。但し、売り手支援型の場合、一定の要件を満たせば支配株主も対象となる。また、開業医、会社法上の会社である農業法人、個人農家は対象となるが、医療法人や社会福祉法人などは対象とならない。また、みなし大企業や単なるグループ内再編も対象とはならない。
- 補助期間は、原則として補助金の交付決定日から最長で2021年12月31日まで。
- 補助率は2/3で、補助上限額は400万円だが、補助事業期間内にM&A等が完了しなかった場合、補助上限額は200万円となる。売り手支援型で廃業を伴う場合、廃業費用として最大で200万円が上乗せされる。
- 2次公募申請受付期間は2021年7月13日から8月13日18時まで。
- 事業の性質上、補助金に採択された場合でも社名などの情報が公開されることはない。
- 補助される主な経費は、士業等専門家への謝金、トップ面談などで発生する交通費、企業概要書作成などの外注費、M&A専門会社や専門家への委託費(着手金、成功報酬、株価算定費用や不動産鑑定費用など)、システム利用料(M&Aのマッチングプラットフォーム利用料)やセカンドオピニオン取得費用など。廃業を伴う場合は廃業費。
- 最終的に補助対象期間内にM&A等が成立しなかった場合でも、例えば買い手支援型で申請者の一方的な自己都合によりM&Aが実現しなかった場合などを除き補助の対象となる(例えばDDの結果、M&Aを断念した場合、そのDD費用は補助の対象となる)が、補助上限額が減額される。
もともとM&Aを選択肢として考えていた中小企業等にとっては検討を前進・具体化させるきっかけとして良い制度かと考えます。一方で、そもそもM&Aを検討していなかった中小企業等が、補助金があるからと拙速にM&Aに向けて動き出すのはおすすめできません。
M&A、事業承継や本補助金についてご相談されたい方は、本ブログ上部のContactからお問い合わせください。
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